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スペシャルインタビュー 12 ■デビュー10 周年を迎えて… Q.まずはデビュー10 周年、おめでとうございます。 A.ありがとうございます。 Q.この10 年間を振り返って、音楽に対する姿勢 や心境などに変化はありましたか? A.そうですね…。僕は東京の高校に進学し、卒 業後すぐにプロとして活動をはじめたのです が、当時は「津軽出 身でもないのに」と か、バンドをやって いた事で「古典がで きない」などと言わ れたりして、まだ10 代と若かった事もあ り精神的にも辛かっ た時期もありまし た。それでも世界各国を回り、様々なジャン ルのミュージシャンの方々とコラボしていく 中で、音楽とは国境や言葉を超えて伝わるも のだという事が分かりました。それに三味線 は、海外でもとてもウケが良い。それが自信 に繋がって行ったのだと思います。    そして今現在は、日本の伝統的な民謡とい う音楽の素晴らしさを改めて実感し、それを 後世に伝えて行かなければと強く感じていま す。 Q.現代社会では、なかなか難しいのでは? A.もちろん、昔と今はライフスタイルも全然違う。 だからこそ、「今」生まれる音楽、民謡という ものがあると思うんです。民謡って人々の生 活に密着していて、その中で自然と生まれて くるものなんですよね。僕が今やってる音楽 だって、100 年後には「古典」になるだろうし。 でも日本古来の文化という幹さえしっかりし ていれば、枝葉は広がってもブレる事は無い と思います。 ■出張授業について Q.2 年前から始められた「生一丁!出張授業」は、 全国の小学校をボランティアで回られているの ですね。やはり、伝統文化の継承を目的に始め られたのですか? A.そうですね。ただ僕の場合は、将来的に三味線 をやって欲しいとか、伝統を受け継いで欲しい とか、そういう思いはあまり無いんです。 Q.と、言いますと…? A.僕が6歳の時に親父が弾いていた三味線の「生」 の音に感動したように、子供たちにも「生」の、 本物の音を聞いて知って欲しい。それだけなん です。 Q.実際、今回の出張授業で、三味線を始められる お子さんはどれくらいいると思いますか? A.ほとんどいないでしょうね(笑)。でもそれで 良いんです。現代ではテレビやCD など、様々 な形で三味線を聴く事はできますが、いつか ふと、「生」の音、本物の音色を思い出してく れれば。本物を知らずに、知った気でいるよ うな大人にはなって欲しくないですから。 Q.本日は母校の大沼小での授業となった訳ですが、 感触はいかがでしたか? A.懐かしかったし、とてもリラックスして出来ま した(笑)。 Q.全国各地でこの出張授業をされていますが、や 母校の大沼小学校にて HIROMITSU AGATSUMA 10th Anniversary Special Interview 上妻 宏光×NONonSUN ................